2011年06月20日

6月18日

「ミツバチの羽音と地球の回転」という映画を観る機会があった。
未来のエネルギーをどうするのか?という問題提起で全編綴られたドキュメンタリー。
生きるとは何か、どう生きるか、を考えさせられる映画だった。

舞台は、山口県祝島。瀬戸内海に浮かぶこの島では、昔から自給自足に近い生活が
営まれている。
漁業と農業。のどかな自然いっぱいの祝島は、28年間も原発反対運動を続けていた。
自分達が住む島を守るために。

美しい自然が淡々と流れる映像が、権力や間違った国政の介入によってだんだん凄みを
帯びてくる。
まずショックを受けたのが、自分の無知。日本人の無知。
いったい日本国民のどれくらいの人が、原発に反対している祝島のことを知っているだろうか・・・
28年間苦しい反対運動をしていることを知っているだろうか・・・
おばちゃん達が、何日も座り込みをしていたことを知っているだろうか。
恥ずかしいことだけど、私はこの映画を観るまで全く知らなかった。
四国に住んでいるのに・・・
事実が報道されない日本。情報が操作され、隠されている日本。怖い。
福島原発事故に関しても、事実は報道されていない。

とどめのショックは、国のやり方の酷さ。
町議会の傍聴もさせず、話し合いの場も持たせず上の決定で決まる原発誘致。
何の前触れも無く、反対団体に保証金を何億円も振り込んだり、
事前協定を無視して、夜明け前に埋め立てのブイを打ったり・・・
これって、国家の犯罪じゃないですか。

日本に建設された51基の原発には、きっと反対しても反対しても、
知らない間に押し切られて、涙をのんだ地域の人がいっぱいいるんでしょう。
その事実に胸が締め付けられる。

祝島原発反対の会の代表の思い。
「小さな力で原発を中止することはできない。でも建設を引き伸ばすことはできる。
引き伸ばしている間に、社会情勢が変わってくれれば・・・」
悲しいことに、社会情勢が変わったのは、3月11日の地震によってだった。
こうして祝島の原発計画は凍結された。
島で一番若い働き手で反対運動の担い手、孝君にこんな電話があったらしい。
「あなた達は何故そんなに反対するのか?」
孝君 「島を守るためです。」
「そんなことのために反対するなんて・・・」
自分が生きている場所を守るのが、そんなことの一言で片付けられるはずはない。

孝君は、言う。
「生きていくならここですから・・・」

映画は、これからのエネルギーを提起する。
脱原発・脱石油を決めたスウェーデンでは、
再生可能エネルギーを地方自治体レベルで実現している。
「スウェーデンでできるなら日本でもできるはず。四国がその先駆けになって欲しい。」
監督の言葉が印象的だった。


(トクシマ 内野のりこ)




posted by ft at 13:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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