現実に大地震をイメージした。
直後にフクシマの辺見さんから
「大丈夫ですか?」と電話いただく。
こちらも震源地近くの洲本浄泉寺に電話、
「棚から物が落ちたけどほかはいけそう」
とのことでほっとする。
JIAの仲間達とバスをチャーター、道後へ
JIA四国支部、初の支部大会、愛媛で開催。
テーマは「THINK 共にみつめなおそう」
基調講演は横浜国立大学の伊藤公紀氏による
「それでも地球温暖化対策を信じますか」
この日の講演でのお話のポイントのいくつか
がこちらで読めます。
世の中で信じられていることが多くは盲信で
あることをまずいくつかの例をあげて紹介。
そのシニカルな語り口と、つぎつぎと展開される
あれもこれもみ−んなうそ、に聞こえてくるその
お話に、「我々の求めているハナシかなあ」と、
最初のうちは「??」というムードも漂った。
が、いろいろな「事実」を説明された後に、
「だからこうすればいい」、ということではなく、
・「木を見る西洋人」と「森を見る東洋人」
・「平均」でものを見ないこと
・部分を切ってはつってなんとかするのでなく
・全体としてつながったものを、俯瞰して
・回復力を強化する、東洋的思考を思い出そう
・どっちにころんでもいい方法を採用しよう・・・
と、「構え」について話され始めたあたりから、
「ああ」と、その前段の話しの意味がわかって
きたというか。
3.11から2ヵ月後の5月、JIA東北支部の
みなさんが異口同音におっしゃっていた
「自分で考えないといけない」
「人の話を信じてはダメ」
を思い出す。
早朝に電話を下さった辺見さんも昨夏、
「自分でよーく考えないと」
「考えて判断しないと」
伊藤先生も、そこが大事とおっしゃっている。
もとより自然界のことが
「はいこれはこう」
「こうすればOK」
なんてことあるはずがない。
ものすごくたくさんのことが影響しあって、
それでなにか現象がみえてくる、かもしれん
くらいのことでしかない、まだまだまだまだ
わからないことだらけ。
単純化、理想化によって物事を整理して
しまって、ひとつの手段でどうにかする
という西洋的手法ではなく・・・
建築はいっこ建築だけで成り立つものでないし
建築家の「構え」のありかたを説いていただいた
のかなと
思う。
うまく表現できんけど、
「ひとりよがりはだめ」
「自分でよく考える」
もひとつ
「自分がいいと思うことにまい進して高める」
ということかなと。
基調講演のあとは四つのグループに分かれて
セッション。
・防災セミナー
・環境セミナー
・四国の戦後モダニズム建築
・コミュニティの再生
環境セミナーに参加。伊藤先生もここに参加
してくださって、環境、エネルギー、地域性
といった建築周辺の意見交換に、外からの目で
いろいろご意見をいただけた。
「専門家だけでやってると、外に出たときに
どっち向いてるのかすらわからなくなる」
「指標を信じてはダメ」・・・
『合理的な愚か者になるな!』
地震のあった日に、先生におおきなメッセージを
頂いて、愛媛大会もJIAならではの四つの取組
のキックオフパーティとしても大成功です。
あ、ひとつ、地球温暖化をある意味でっちあげた
写真を紹介。
北極の氷が解けて漂流する白くま。
白くまは、こどもを背中に乗せて何日も泳ぐ。
学名は「海に住むくま」。この写真のように
流されてこまるなんてありえない・・・
(合成写真だそうです)
(トクシマ 内野輝明)
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